2002年の具体的な数字を挙げると経常収支は大幅な黒字で、その額24兆5000億円。
うち、貿易・サービス収支が9兆8000億円の黒字(貿易収支が12兆2000億円の黒字、サービス収支が2兆5000億円の赤字)と経常黒字にとどまっているのに対し所得黒字は16兆0000億円と経常黒字にも達しています。
このように所得黒字が貿易黒字を上回る国際収支構造が恒常化しているということは、一国の経済が成熟してきたことの証左と言えます。
蓄積された資産を海外の投資機会に投じ、これを重要な収入源とする経済構造への移行は成熟経済において自然の成り行きなのです。
日本経済の発展段階が高次化してきたということです。
この点、経済学者クローサーらの唱えた「国際収支の発展段階説」によると、一国の国際収支構造は経済の発展段階に対応して変遷をたどるとされています。
この発展段階説は当該国が債権国(所得収支の黒字国)かそれとも債務国(所得収支の赤字国)かなどの基準により、国際収支構造を6つの段階に分類するものです。
これを分析ツールとして用いた『通商白書』(経済産業省)に従えば現段階の日本は貿易収支の伸びが鈍る一方で所得収支や対外純資産残高の増加が顕著であることからかつての英国や米国のように「未成熟債権国」から「成熟債権国」へと移行する過程にあると言えます。
成熟債権国の段階に完全に到達したとは言えない。
日本の経済規模に対し所得収支の黒字が未だ十分な水準に達していないなどの理由によります。
それだけに対外純資産やそれによく得られる収入はさらに拡大する余地があるのです。
すなわち日本はこれまで蓄積した富やこれから得られるであろう所得を対外的に一層戦略的に活かしこれを国の安定収入源に変えていくべき段階にあるのです。
これは、国、個人の両レベルについて言えることです。
蓄えたお金を外で有効活用し、その収益で豊かに暮らすという生き方、「海外でお金に働いてもらう」という考え方がさらに重要性を増していくことになるでしょう。
前章で19世紀・英国の経験を紹介しました。
経済の成熟化によく国際競争力が強まる。
リスクに直面した当時の英国ですが、国際分散投資によく家計の豊かさを維持したことについては、すでに述べたとおりです。
日本のこうした構造転換は半ば必然的な方向性であるだけでなく世界経済の健全な発展という点でも望ましいことです。
今後、日本の国内消費が大きくは伸びにくいからと言って海外需要に過度に依存し大量の輸出を行うことは特に発展途上の国々の経済的自立を妨げてしまうかもしれません。
長い目で見て新興経済圏が必要としているのは日本のような成熟経済国に蓄えられた資金・技術・人材なのです。
したがって、「お金に働いてもらう」と言うと不労所得というニュアンスがあり、真面目な人にはややネガティブなイメージを喚起してしまうかもしれませんが、日本の金融資産を投資という形で海外に一旦移転し、これにより他の国々の経済成長と社会的安定に貢献するということは世界経済の均衡という観点からも有益なことなのです。
以上見てきたように日本の経済史上、特筆すべき数々の変化がいままさに進行中なのです。
これらを踏まえつつ、次に資産運用の意義について「経済的自立」をキーワードに金融システムの視点から整理してみましょう。
最近、さまざまな場面で「貯蓄から投資へ」が合言葉のように唱えられています。
お馴染みとなったこの言葉の意味について、少し掘り下げて考えてみましょう。
この言葉は後に見るように必ずしも厳密なものではないのですがここではとりあえず、一般に了解されている意味を前提とします。
つまり個人金融資産において、従来の預貯金に偏った構成が修正され元本割れリスクを伴う金融資産(いわゆる「リスク商品」あるいは「投資商品」)の割合が高まる傾向のことです。
こうした言葉を多用しているのはマスメディアや金融機関だけではありません。
まさに政府や日銀といった政策当局こそが、この「貯蓄から投資へ」を旗印に率先して投資を促しているのです。
先に述べたように年金など社会保障制度はもはや抜本的な改革なくして存続させることが難しくなっています。
そしてこれを一番よくわかっているのが日本政府です。
たとえば財務省のウェブページなどを覗くとこれでもかと言わんばかくに国の危機的な財政状態が丁寧に解説されています。
さればこそ、そうした自助努力による投資の活性化への流れを作ろうとしているのです。
つまり、「貯蓄から投資へ」とは国には過度に期待せず、一人ひとりが資産運用を行い、自ら老後や病気に備えましょう。
投資の意義について、日本の金融システム(資金の余剰主体から不足主体、資金を融通するための経済インフラ)の変容という視点からまた、日本全体の家計金融資産約1000兆円のうち約半分(同時点の現預金比率は。
従来、日本の金融システムは「間接金融」を中心に発展してきました。
現在も依然として間接金融の優位という大きな枠組みに変わくはないものの、近年になって「直接金融」のウエイトが高まりつつあることが指摘されます。
間接金融とは銀行などの金融仲介機関が資金余剰主体である預金者と資金調達主体である企業等との間に介在し、この金融仲介機関が取引に随伴する各種のリスクやコストを引き受けることで資金の流れを円滑化するための仕組みです。
これに対し直接金融とは企業等の発行する株式や債券といった有価証券を投資家が直接購入することにより、直接的に資金を融通する仕組みです。
この直接金融の仕組みにおいても証券会社を経由しますが証券会社は取引を仲立ちしているだけで銀行のようなリスク変換機能は基本的に担っていません。
直接金融は投資家が直接的にリスクを負う自己責任のシステムなのです。
「貯蓄から投資へ」とは、この「間接金融から直接金融へ」という日本の金融システムにおけるウエイトシフトの動きを資産運用サイドから表現したものと言うことができます。
預金とは間接金融を代表する資金融通手段であり一方、株式投資や債券投資などの狭義の投資とは直接金融における資金運用方法だからです。
なお、投資信託による投資については、株式等への投資を直接的に行うのは金融仲介機関である運用会社や管理会社であって、投資家は間接的証券として受益証券を取得する、という点からすると完全な直接金融ではなく間接金融に含まれます。
ただ、証券の価格変動というリスクが投資家に直接帰属するという経済効果に着目すれば、やはり「直接金融へ」という流れに沿ったものであることに変わりはありません。
もちろん日本では銀行借り入れに頼らざるを得ない中小企業のウエイトが高いこともあり、間接金融の重要性が一気に縮小することは考えにくいでしょう。
それでも以上のような構造変化は時代の趨勢です。
これは「グローバリゼーションによる直接金融化」とも言えます。
米英では直接金融が主流であり急速に進む金融取引のグローバル化に伴い世界の金融システムはこれに収れんしていかざるを得ないと考えられるからです。
サブプライム問題を契機に米欧金融機関の経営モデルも必ずしも万能なものではないことが白日のもとにさらされたとはいえ、この大きな流れを変えるに至るとまでは考えにくいのです。
結婚相談所がパワーアップしました!インパクトのある結婚相談所です。
以前の結婚相談所は現代社会で重宝しています。結婚相談所の定番として根強い人気があります。
有望な結婚相談所の適正化を 図ります。結婚相談所の情報をお知らせします。